「コールサック」日本・韓国・アジア・世界の詩人

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藤貫 陽一 (ふじぬき よういち)


<経歴> 1972年、茨城県生まれ、結城市在住。詩人会議会友。「風歌」会員。センダンの木の集いメンバー。結城文学の会会員(連絡担当)。俳誌「風雪」元会員。2011年、詩集『緑の平和』刊行。

<詩作品>


寒いよう

一バレル九十九ドル
まで迫った年の冬
だったでしょうか


甥っ子と 縁側で
たっぷり 日向ぼっこを
百ドル分は したでしょうか


夕方になって
目やにがひどいので
お湯で顔を洗わせました


迎えが来て 甥っ子は
ママに怒られた


袖口がびっしょりじゃない
脱ぎなさい


外に出て
寒いよう


悪かったね
ママに温めて
もらいなさい


寒かった日のことを
いつか思い出すように


おじさんは その夜
まだまだ修行が足りないと
水シャワーを浴びましたよ





宇宙に飛んでけ

我々は彼らを追放するために
研究をさせておく


彼らはロケットが どこまで
飛んでゆくか計算できても
自身の運命を
想像することができない


近代は光なのか闇なのか
人間は塵なのか君臨するのか
我々の生活は一瞬なのか意義があるのか


私はこの詩を三十五歳で書き
第二第三の読者に
会いにゆかねばならないのだ




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「コールサック」(石炭袋)120号 2024年12月1日

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